米ホワイトハウスで話すトランプ大統領=5月28日(AP=共同)
 米ホワイトハウスで話すトランプ大統領=5月28日(AP=共同)
 5月29日、米ハーバード大の卒業式で、学生から拍手を受けるガーバー学長=ボストン郊外(ロイター=共同)
 マルクス・ガブリエルさん
 5月27日、トランプ米大統領に抗議するハーバード大教授=米マサチューセッツ州ケンブリッジ(AP=共同)
 7月21日、ハーバード大を巡る訴訟の審理が開かれた米連邦地裁前で、政権を批判する人々=東部ボストン(AP=共同)
 ウクライナ南東部マリウポリ市の大学図書館にあったウクライナの本。ロシアの占領当局に廃棄された(市提供・共同)
 国会前で行われた日本学術会議の特殊法人化法案への反対集会=5月7日
 マルクス・ガブリエルさん

 「学問の自由」が世界中で攻撃にさらされている。この動きは人工知能(AI)など民主社会を試すテクノロジーの急激な進化の時代に起きているだけに不安を誘う。

 学問の自由への攻撃は第2次トランプ政権の米国で顕著だが、他の領域にも広がり、私たち人類の自己理解力をむしばんでいる。私たちが知る限り、ヒトは自己探求の能力を持った唯一の生物で、この学びから私たちは制度や社会基盤をデザインしている。

 人間の本質、さらに私たちと自然や社会・文化的環境の統合を究める最も効果的な方法は、学術的探求だ。大学と研究機関は人間のニーズやその価値を見極めるために存在している。これは物理、生物などの基礎科学にも、気候危機に取り...

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