FM番組「寝たきり社長のおはようエール」の収録に臨むパーソナリティーの佐藤仙務さん=5月、名古屋市
 FM番組「寝たきり社長のおはようエール」の収録に臨むパーソナリティーの佐藤仙務さん=5月、名古屋市
 FM番組「寝たきり社長のおはようエール」の収録に臨むパーソナリティーの佐藤仙務さん(右)=5月、名古屋市
 視線入力装置を備えたパソコンを使って仕事をする佐藤仙務さん=7月
 FM番組収録に臨む佐藤仙務さん(奥)=7月、名古屋市
 FM番組「寝たきり社長のおはようエール」のパーソナリティーを務める佐藤仙務さん(手前)=5月、名古屋市

 愛知県東海市の佐藤仙務(さとう・ひさむ)さん(34)は今年4月から、地元のラジオ局「FM AICHI」で番組パーソナリティーを務めている。

 本業は名刺制作などを手がける会社の社長。そんな佐藤さんにとって、声で思いを伝えるラジオパーソナリティーは憧れの存在だった。子どもの頃、体調を崩して寝込んでいる時に、ラジオを聴いて励まされたからだ。

 10年ほど前には気管切開の手術を受けた。医師からは、声を失う可能性があると伝えられた。実際、手術後しばらくは声が出なかった。

 佐藤さんは、全身の筋肉が徐々に衰える難病「脊髄性筋萎縮症」のため、10代半ばから寝たきり生活を送っている。その中で社長業を続けてきた。...

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