
筑波大教授の原田隆之さん
川崎市で起きたストーカー殺人事件は、元交際相手の女性につきまとい、暴力や住居侵入を繰り返していた27歳無職の男が、最終的に被害者の命を奪った凄惨な事案である。被害者や家族は繰り返し警察に相談していたにもかかわらず十分な保護がなされず、最悪の結果を招いてしまった。
神奈川県警は本部長が謝罪会見を開くとともに、警察の対応などに関する報告書を発表し、事案のさまざまな段階で警察官が「危険性・切迫性を過小評価」したことが明らかにされた。また連携や情報共有が警察官個人の「感覚・判断に委ねられる属人的・不安定な体制となっていた」ことが原因の一つとも述べられている。
しかし犯罪心理学の立場からすれば、このよ...
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