米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)が決めた利下げ再開は妥当な措置である。雇用悪化への対応が必要になったためだ。他方、トランプ大統領が金融政策を牛耳ろうと、FRBへの圧力を強めている。圧力に負けず適時適切に政策を運営し、政治からの中銀の独立性を堅持してほしい。
FRBは17日の政策委員会で、昨年12月以来6会合ぶりとなる利下げを決定した。下げ幅は通常ペースの0・25%で、主要政策金利を4・0~4・25%とした。輸入品への高関税の影響で企業は採用に慎重になり、雇用の悪化は鮮明だ。市場では、FRBが当面利下げを続けるとの見方が多い。
半面、高関税に伴う物価上昇圧力は根強く、行き過ぎ...
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