
日本総合研究所の立石宗一郎副主任研究員
米連邦準備制度理事会(FRB)は17日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、昨年12月以来6会合ぶりに主要政策金利の引き下げを決めた。利下げはパウエルFRB議長が8月、米ジャクソンホールで開かれたシンポジウムで示唆し、今会合での決定は市場で確実視されていた。背景として雇用の下振れリスクが高まっていることが挙げられる。
米国では、トランプ政権が発動した高関税による物価への影響が今のところ軽微にとどまる一方で、労働市場は悪化している。7月の雇用統計で就業者数の伸びが市場予想を下回って鈍化したことなどを契機に、労働市場は底堅いという評価が一変した。
関税負担の増大から企業が新規採用を抑制している上、...
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