インタビューに答える橋本幸士京都大教授=8月12日、京都市・京都大理学部
インタビューに答える橋本幸士京都大教授=8月12日、京都市・京都大理学部
アルファ碁との対戦後に碁盤を見つめるイ・セドルさん=2016年3月15日、ソウル(AP=共同)
作成・橋本幸士京都大教授
イーロン・マスク氏率いるAI企業「xAI」と「Grok」のロゴ=2月16日(ロイター=共同)
橋本幸士京都大教授の研究室からは比叡山に続く山並みが見える=8月12日、京都市・京都大理学部
学術会議で談笑するノーベル賞受賞の湯川秀樹さん(左)と朝永振一郎さん=1965年10月、東京・上野
作成・橋本幸士京都大教授
橋本幸士教授の研究室に保管されている、湯川秀樹さんが使った回転板。「在室」「會議」「輪講」などの文字が書かれ、研究室の入り口に掛けられていた=8月12日、京都市・京都大理学部

 人は人工知能(AI)をうまく使いこなすことができるのか、あるいはAIに人が使われる時代が到来するのか。京都大大学院理学研究科の橋本幸士教授は物理学者の立場でAIと積極的に関わってきた。AIと自然科学研究のこれからを聞くと、見えてきたのは物理学と哲学が融合する新しい学問の誕生、「人は『ヒト』と共に研究する」という近未来像だった。(聞き手・共同通信記者田沢穂高)

▽アルファ碁と「高性能なそろばん」

 ―先生がAIを意識し始めたのは。

 「2016年ですね。アルファ碁が話題になった年です」

 ―米グーグル傘下のAI開発ベンチャーの囲碁ソフト「アルファ碁」が世界トップクラスの韓国人棋士イ・セドルさんとの対局...

残り4200文字(全文:4500文字)