
第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生さん
日銀は19日の金融政策決定会合で、大規模金融緩和のために買い入れた上場投資信託(ETF)を市場で売却していく方針を決めた。ETFは日経平均株価や東証株価指数と連動させたり、多くの上場企業の株式を集めたりして組成する。日銀が保有するその残高は簿価ベースで37兆円強に上るだけに、この日の市場に激震が走った。
日経平均の下げ幅は前日終値比で一時800円を超える場面があった。ETF売却方針決定に唐突感があったためで、市場心理に悪影響を与えたのだろう。
他方、日銀にすれば年3300億円(簿価)程度と限定的な金額で準備が整い次第売却する計画なので、混乱は少ないとみていたようだ。東証プライム市場全体の売買...
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