有希ちゃんが同級生と別れた三差路=2024年7月、栃木県日光市
有希ちゃんが同級生と別れた三差路=2024年7月、栃木県日光市
有希ちゃんが拉致されたとみられる現場の近辺=2024年7月、栃木県日光市
吉田有希ちゃんの事件で、情報を求めるポスターのコピー
インタビューに応じる勝又受刑者の弟の高瀬有史さん=2024年6月、東京都北区
遺体発見現場前に立つ地蔵=2024年7月、茨城県常陸大宮市
拉致現場付近で事件後に置かれたとみられる看板=2024年7月、栃木県日光市
栃木小1女児殺害事件の控訴審判決で「不当判決」の垂れ幕を掲げる支援者=2018年8月

 今年、発生から20年を迎える“今市事件”こと、栃木小1女児殺害事件。2005年末に下校中の女児が誘拐されて殺害された凶悪事件だが、捜査は難航した。ようやく容疑者の男が逮捕されたのは、およそ8年後の2014年のことだ。だが犯行を示す直接証拠はなく、当初から「冤罪ではないか」と疑問視する声が根強くあった。さらに男の裁判では、違法な取り調べの存在も明らかになった。結局、無期懲役が確定したものの、男は今でも獄中から冤罪を訴え続けているという。その事実を知った私たちは、真相を求めて事件をたどりなおすことにした。(共同通信=武田惇志、片山歩)

 ▽複数の目撃証言

 2005年12月1日午後2時15分ごろ。栃...

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