
岩﨑隆徳さんが開発した「佐渡すりみ」。みそ汁や鍋、揚げ物に活用するのがお薦めという=佐渡市春日
佐渡の食卓を長年彩ってきた「とび魚すりみ」。水産加工会社「両蒲(りょうかま)」が昨夏限りで生産を終了したが、その技術と思いを受け継いだ新商品が誕生した。不漁が続くトビウオに代わり、四季折々の佐渡産鮮魚を使った「佐渡すりみ」だ。「島民に愛される味として育てたい」と地元出身の男性が奮起し、発売にこぎ着けた。
開発したのは、市内のすし店とスーパーの鮮魚担当として計15年働いてきた岩﨑隆徳さん(34)。生産終了後もスーパーには地元客や観光客から「すりみはないのか」「佐渡の名産でしょ」と惜しむ声が寄せられ続けたという。
すりみを週2回、みそ汁の具材として食べるほど「食卓の日常」だった岩﨑さんにとっても、生産終了は寂しかった。「食文化を絶やしてはならない」と事業化を決断。昨年8月、...
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