来春、公道を走る予定の水素エンジントラック=29日、柏崎市北斗町
来春、公道を走る予定の水素エンジントラック=29日、柏崎市北斗町

 自動車エンジン部品大手のリケンNPR(東京)が柏崎市で進める水素エンジン水素を燃料とした内燃機関(エンジン)。水素を燃焼させ、発生した燃焼ガスを動力に変換する。理論上は排気ガスに地球温暖化の原因の一つとされる二酸化炭素を含まないため、環境負荷が低いとされる。車の開発・普及事業が、2026年春に新たなステージに進む。荷物を積んで公道を走る実証実験を行うほか、建設中の水素ステーションが開業する。脱炭素気候変動による被害を抑えるため、二酸化炭素やメタン、フロンなど地球温暖化の原因とされる物質について、大気への排出量を実質ゼロとすること。石油や石炭、ガスなどを燃やして排出される二酸化炭素などは温室効果ガスと呼ばれる。温室効果ガスが地球を覆うことで太陽の熱を閉じ込め、気温が上昇するといわれている。化に向けて自動車業界が変革期を迎える中、水素を軸に会社とまちの成長を目指す。

 「クリーンな未来へ走り出そう」。車体にキャッチコピーがあしらわれた小型トラックが29日、柏崎市北斗町の工場でお披露目された。水素エンジン車は温室効果ガスをほとんど排出せず、脱炭素への貢献が期待されている。

 リケンNPRの水素エンジントラックは、既存のディーゼル車のエンジンを改造した。26年4月から自社製品を載せて、市内の二つの工場間を1日約100キロ走る実証実験を行う。

 水素は燃えやすい性質があり、水素エンジンでは意図しない異常燃焼が起きやすい。水素が金属をもろくする現象への対策も求められる。リケンNPRによると、いずれもエンジン部品の形状や材料を変更することで対応できたという。

◆トラック、バス…狙いは...

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