高知アニクリ祭の作品コンテスト授賞式で、ステージに立つ山﨑久留美(左)=4月、高知市(高知アニメクリエイター聖地プロジェクト実行委員会提供)

 四国最南端に位置する高知県。総務省のまとめで1月1日時点の人口が約66万5千人と、全国で3番目に少なく、転出者が転入者を上回る「社会減」は2024年、全国で2番目に減少率が高い。新潟県と同じく、人口減少が課題だ。

 「大学進学する高校生の7割が県外に行き、若者は東京や大阪に集中する。構造的に若者がいなくなってしまう」。この課題を解決したいと高知信用金庫(高知市)の理事長、山﨑久留美(66)は長年考えていた。

 高知県は「アンパンマン」のやなせたかし、「フクちゃん」の横山隆一ら多くの漫画家を輩出し、全国の高校生チームが競う「まんが甲子園」は34回を数える。「高知にはアニメーション、漫画の素地があり、絵を描くのが好きな人が多い。地元に若者が残る産業になるのではないか」

 高知市のアニメスタジオを...

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