
モストレロ・コマーシャルの事務所にあった表札=9月25日、キプロス
ロシアが日米欧に張り巡らせた軍民両用品の秘密調達ルートが明らかになった。クリミア併合を契機に制裁が強化された後も、欧州連合(EU)加盟国キプロスの実体がないダミー会社を隠れみのに、NECやノルウェー国有の防衛大手コングスベルグなど数十社から最新機器を買い付けていた。NECは通常の取引と捉え、軍事転用される可能性を見抜けなかった。
▽追跡
取材の端緒は、ドイツ当局が2024年10月、キルギス系ロシア人の物流会社社長の男(56)を逮捕したことだった。EUの輸出規制リストに載ったソナーなどの機器を発注し、ロシアへ輸送した外国貿易法違反の疑いだった。
ドイツ当局は電話盗聴やメール監視で男の動きを追跡...
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