中道勢力の結集が狙いだ。保守色を強める政権に対抗できる一大政党になるか注目される。
一方、唐突な印象が拭えない。有権者の支持を得る明確な政策の旗印を打ち出せなければ、急場しのぎとの批判は免れない。
立憲民主党の野田佳彦代表と公明党の斉藤鉄夫代表が党首会談し、2月8日投開票が有力となった衆院選をにらみ、新党を結成することで合意した。
新党には、立民148人、公明24人の両党の衆院議員が離党して参加する。170人規模での発足となる見通しだ。野田、斉藤両氏が共同代表を務める。
両代表は記者会見し、党名を「中道改革連合」と発表した。
さらに「日本経済の安定と、平和を保つことが中道」とし、「生活者ファーストの視点で現実的な政策を打ち出す」と表明した。
両党は、政治資金や選択的夫婦別姓制度、外国人共生などの問題で政策スタンスが近い。
非核三原則を見直す動きなど戦後の平和主義を転換させかねない高市早苗首相に、中道路線を掲げて対決する狙いは理解できる。
党勢拡大には、自民党と日本維新の会の連立政権に代わる選択肢になり得る政策を、有権者に示すことができるかが鍵となる。
新党結成の背景には、両党が党勢に伸び悩み、危機感を抱いていたこともある。このままではじり貧になる恐れがあり、生き残りを懸けた決断だとみられる。
公明は全小選挙区から撤退し比例代表に専念した上で、立民出身の選挙区候補を支援する。公明出身候補は、比例代表名簿の上位に優遇する。
各小選挙区に公明は1万~2万票を持つとされ、これまでの国政選挙で支援を受けていた自民への影響は大きい。
立民にとっては、自民候補に投じられた公明票を引き剝がせるだけでなく、自党の票に上乗せできる可能性がある。
ただし、公明の支持者が、長く敵対していた立民の候補をすんなり支援できるかは難しい面があるだろう。地方組織からは、党本部同士で進められたことに反発の声も上がっている。
投開票までの期間は短い。万全の協力態勢を構築し、支持者に浸透できるかが課題だ。
急な衆院選への対応のため選挙目当ての野合だとみられる懸念もある。自民は新党を「選挙互助会のような組織」と批判する。
立民と公明両党は当面存続させ、参院議員と地方議員らは残留するというが、選挙後の見通しが不透明なことも気にかかる。
新党は、自民のハト派議員や他党にも結集を呼び掛ける。賛同者が増えれば、政界再編を見込めるが、国民民主党は参加を拒んだ。
選挙の時だけの離合集散であってはならない。
