東京電力柏崎刈羽原発6号機の再稼働前に最終確認をする運転員=2026年01月21日午後7時2分、柏崎刈羽原発

 東京電力は21日夜、柏崎刈羽原発6号機を再稼働させた。東電にとって悲願の日となったが、直前の17日には、制御棒の警報システムに関する不具合が発生し再稼働は予定から1日遅れた。14年間の長期停止を経た再稼働は東電にも経験はなく、「今後も小さなトラブルは起こり得る」と慎重に臨む姿勢を強調。県や柏崎市、刈羽村は不測の事態に備え監視を強めている。

【動画あり】柏崎刈羽原発6号機再稼働、福島第1原発事故後初

 「起動の最中、非常に小さい設備の不具合が起こる可能性はそれなりにある」

 柏崎刈羽原発の稲垣武之所長は昨年12月24日、再稼働を控えた記者会見で語った。東電は、6号機の再稼働後に考えられる不具合の例を事前に資料にまとめて示し、軽微なトラブルは「織り込み済み」とするかのように予防線を張った。

 原発は、燃料が核分裂する際に出る熱で水を沸かし、蒸気でタービンを回して発電する。6号機は、東電福島第1原発事故後の2012年3月に定期検査入りしてから、一度も配管に蒸気が通っていない。

 新たに設置された安全対策設備もある。東電は他社も含めた過去の事例を踏まえ、配管からの漏えいや、弁が閉まらないなどの不具合が起きる可能性に備えるとする。

東京電力柏崎刈羽原発6号機再稼働作業を見守った稲垣武之所長(左から4人目)ら=1月21日、柏崎刈羽原発
東京電力柏崎刈羽原発6号機の再稼働を見守る県技術委員会の委員や柏崎市の職員ら=1月21日、柏崎刈羽原発

 先行して再稼働した他社の原発では、人為ミスも起きている。中国電力島根原発2号機(松江市)では、24年12月の再稼働から5日後、運転員が原子炉の水位計の値を異常と誤認した。この機器は福島事故後に追加で設置されたもので、規制委から「教育不足」を指摘された。

 中国電によると、島根原発の再稼働までに、6割の運転員が稼働している原発の運転経験がなかった。東電によると、柏崎刈羽原発6、7号機を担当する運転員も6割が未経験という。

 東電は今後、福島事故後に設けた設備の試験などを行い、27日ごろから首都圏へ試験的に送電を始める。その後、原子炉をいったん止めて設備に異常がないかを確認する「中間停止」を挟み、営業運転までの工程を慎重に進めるとする。

 自治体は...

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