衆院選の大勢が決して退社した。午前3時を過ぎている。新潟市内の自宅までの帰途、車窓から見える街並みは真っ白な世界だった。前日夕方からの吹雪がひどかった。未明の薄暗い街は車通りが少なく、ゲレンデのような白銀の幹線道路が少し新鮮だった
▼初雪がそうであるように、雪は一夜で景色を一変させることがある。自民党が圧勝した今回の衆院選で、政界の構図が一晩のうちに一変した。単独政党が衆院議席の3分の2以上を得るのは、戦後初めてだという
▼自民は少数与党のくびきを逃れた。野党が多数の参院で法案を否決されても、衆院の再可決で成立させられる。他党の顔色をうかがわずに済む。独断専行しない節度が求められる
▼一方で、改選前議席が3分の1以下に減った中道改革連合では、旧立憲民主党の顔役だったベテランらが何人も議席を失った。共産党もれいわ新選組も低迷し、社民党は議席を得られず、リベラル系勢力の退潮が際だった
▼投票率が50%台にとどまるのは喜べないが、厳冬期の選挙ながら本県でも全国でも、前回より上向いた。現状への不満であれ、変化への期待であれ、政治の形を動かした。有権者は手にしている力を自覚したことだろう
▼日々は続く。衆院の構成が変わっても、物価高や人手不足など暮らしの課題が直ちに解消したりはしない。選挙結果が何をもたらすのか、引き続き目を向けたい。その積み重ねが有権者としての感性を磨く。選挙の価値をより高める。そう肝に銘じる。
