スペインのサンティアゴ・デ・コンポステラはエルサレム、ローマと並ぶキリスト教の聖地だ。十二使徒の一人、聖ヤコブのものとされる墓が9世紀に見つかり、聖堂が建設された
▼聖地に行くための道ができ、道沿いの町々には教会が建てられた。国境を越えて延びる巡礼路はユネスコ世界文化遺産に登録されている。道の世界遺産は日本にもある。熊野古道で知られる「紀伊山地の霊場と参詣道」だ。熊野三山や高野山などを結ぶ。心の救いを求め、古代から多くの人々が歩いた道だ
▼道と信仰は親和性が高いようだ。目的地への長く険しい道のりを一歩一歩、着実に歩くことで思いが深まる。だからだろうか、道には道理や条理、教義、神仏の教えといった意味もある
▼先日の衆院選で、道に雪を捨てる候補の動画が話題を集めた。現場近くで暮らした経験を踏まえれば、まいた雪は大量とまではいえず、道路には消雪パイプもあった。雪国の道理に反しない程度と思ったのだが、SNS上の批判はやまなかった
▼道はよく人生に例えられる。それだけに道にまつわる格言や名言は多い。「千里の道も一歩から」「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず」「踏み出せば、その一足が道となる。迷わず行けよ、行けばわかるさ」
▼きょうから国公立大の入試は第2次の前期日程が始まる。人生の分かれ道に立つ若者もいるだろう。「意志あるところに道は開ける」。人生の道はきっと自分で切り開くもの。頑張ろう。
