
かつてダム建設が計画された尾瀬ケ原。道標に東電が所有運営する「東電小屋」の文字も見える=25年8月上旬、尾瀬国立公園
国内有数の湿原で知られる尾瀬国立公園(新潟、群馬、福島、栃木)は、約4割の土地を東京電力グループが所有している。東電が尾瀬を手放すかもしれない-。東電福島第1原発の事故が起きた2011年、関係者の間に不安が広がった。事故を起こした東電が賠償や廃炉の責任を負い、経営状況が悪化したからだ。東電は保有継続を表明したものの、民間企業が主要な管理主体となる自然保護のあり方を問い直すきっかけとなった。15年がたち、尾瀬を取り巻く状況は変わりつつある。多様な担い手による協働で広大な自然の宝庫を守れるか。関係者を訪ね歩き、課題を探った。(報道部・桑田実結)=3回続きの2=
「新潟からも尾瀬に行けるんだ」。2月28日、東京都八王子市の京王線高尾山口駅前で足を止めた登山者は驚きの声を上げた。
都心から近く、多くの登山者が集まる高尾山(599メートル)の玄関口で尾瀬をPRしようと開かれた「尾瀬フェア」。ブースを出した県や魚沼市は、奥只見湖を遊覧船で渡って尾瀬に入る「魚沼ルート」を地図で示しながら紹介した。尾瀬保護財団の設立30周年記念の催しで、東京電力グループも尾瀬の風景を再現した記念撮影コーナーを設けた。
尾瀬国立公園は群馬、福島両県が大部分を占め、新潟県に属する面積は全体の約3%とわずか。ただ、尾瀬から流れる水は...
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