
東日本大震災の発生時刻に海に向かって黙とうする長沼朱音さん=11日、福島県浪江町
あの日、津波となって自宅を奪った海。11日午後2時46分。15年前の東日本大震災の発生時刻に、福島県浪江町出身の長沼朱音(あかね)さん(22)は地元請戸(うけど)地区の砂浜に立っていた。「今日は波が荒くて少し怖い。だけどやっぱり、浪江の海はいいな」。震災以来、この日に浪江の海を訪れるのは初めて。追悼のサイレンが海岸に鳴り響く中、静かに目を閉じた。
(報道部・大橋麻衣)
小学1年生だった2011年3月11日、叔母が運転する車に乗っていて、海の近くを走行中に地震に遭った。町にはその後、東京電力福島第1原発事故で避難指示が出され、古里を離れざるを得なくなった。
柏崎市など避難先を転々とし、3度転校した。環境の変化に悩んだ時、救ってくれたのが学校の先生だった。教員を志して大学で学ぶ傍ら、年下の世代に経験を伝えていこうと、語り部にも挑戦した。
育んできた教師になる夢を今春かなえる。15年ぶりに浪江町で暮らす。
それまでの日常も思い出の場所も津波で失ったが、...
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