
2011年3月11日、東日本大震災で押し寄せる津波にのみ込まれる住宅=宮城県名取市
2011年3月11日。最大震度7の地震が起きた時、宮城県石巻市の女性(53)は外出中だった。東日本大震災の巨大な揺れ。中学生、高校生の2人の子どもたちが心配になり、タクシーに乗って自宅を目指した。
ところが途中の交差点にさしかかった時、運転手は突然、車を止めた。「早く降りて」と言い残し、タクシーを捨ててあわただしく山へ向かう。津波が迫っていた。
女性はそれでも思った。
「たいしたことにはならないだろう」
車内に1人残ったが、振り返ればそれが致命的な判断ミスだった。(共同通信=河添結日)
▽下水のような臭い
気づけば周囲が水浸しに。すぐに車は浮き、あっという間に車内に浸水してきた。このままでは危...
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