
取材に応じる「サマショール」のワレンチナ・クハレンコさん=3月、チョルノービリ(共同)
「原発事故にも戦争にも人間は無力だ。逃げるか、受け入れるしかない」。ウクライナ北部チョルノービリ(チェルノブイリ)原発付近の立ち入り禁止区域で「不法」に暮らすワレンチナ・クハレンコさん(87)は語った。放射線汚染もロシアの攻撃も恐れるものは何もない。夫が眠る故郷で死にたい。それだけだ。
今年3月、当局の許可を得て、原発から半径30キロ圏内の立ち入り禁止区域に入った。ここには、避難先から自主帰還した「サマショール」と呼ばれる人が暮らす。クハレンコさんもその一人だ。
最大2千人いたとされるサマショールは2021年には約100人に。大寒波と停電が重なった今年の冬はさらに減り、実際に暮らしているのは...
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