かわいいと思わせるのは小さくて丸いからだろうか。庭にやってくるスズメたちがにぎやかだ。チュンチュンうるさいことがあっても、枝から枝へ飛び渡る姿は愛らしい

▼そんなのんきな観察ができるのは農家ではないからだろう。昔から田んぼの邪魔者の代表格だ。手元にある鳥追い歌の歌詞を見ても、ドウと呼ばれたトキ、サンギとも言ったサギに続いて小スズメが登場する

▼いくら小さくても、大挙して稲を食べに来られたらたまらない。ホーイホイと追い立てたくなるのは分かる。日本だけが悪者扱いしたわけでもない。プロイセンの王は大好きなサクランボを食べ荒らすスズメが許せなかった

▼退治のお触れを出すほどだった。2年間で計80万羽以上を捕らえたと伝わる。しかし喜んだのもつかの間、害虫がはびこり、木は次々に枯れてしまった。王は間違いを悟り、それからは保護の手を差し伸べた(小林清之介「スズメの四季」)

▼害虫を食べてくれる益鳥でもあるスズメが急減している。1年当たり7・4%減っているとの国の調査結果もある。身近なさえずりが聞けなくなるのか。悲しい数字だ。急減の要因の一つとして「気温上昇」「近年の温暖化」が挙げられた

▼昨今の猛暑に苦しむ人間と同じということか。コメ不足の騒動も高温の影響が大きいといわれた。コメ好きのスズメも餌不足に泣いたことだろう。私たちと同じ境遇にあるから一層いとしく見えるのかもしれない。話しかければ、嘆きを共有できるだろうか。