4月からたばこの値段が1箱当たり20円から50円上がった。今秋以降も段階的に値上げが予定される。国が防衛力強化の財源を確保するために増税したのだから、食品の値上げとはわけが違う

▼同時に引き上げられた法人税も、来年1月から上乗せされる所得税も、防衛費に充てられる。さらなる防衛増税もあり得る。拒みたくとも国会で決まったことなら受け入れざるを得ないが、かつて、あらがった人々がいた

▼牧師や学者らによる「良心的軍事費拒否の会」なる団体があった。1980年に「非暴力を唱える人間の税金が自衛隊に使われることは良心の自由を侵す」として「軍事」に関わる納税義務を受け入れない訴訟を起こした

▼裁判は敗訴したが賛同者は全国約500人に広がり、納めた所得税のうち「軍事費」相当分の還付を税務署に求める活動を展開した。「私たちの税金を戦争に使うな」。当時の訴えを最近も耳にした

▼平和憲法の堅守を訴え、本県など各地で開催されているデモの会場で叫ばれていた。最近は団体や組織に属さない個人参加の若い女性らが多く、先週末の国会前には主催者発表で3万6千人が集まった。2015年から続く毎月定例のデモで最大規模になった。危機感にせき立てられている

▼抑止力として防衛力強化は必要だと強く信じる人もいる。急進的な高市政権の支持率は依然高い。武器輸出も解禁された。さまざまな主義主張を踏まえて一人一人が考えを深め、声を上げられる社会であり続けたい。