ファッション業界を描き大ヒットした映画「プラダを着た悪魔」(2006年)の続編が20年を経て公開される。ジャーナリスト志望の主人公が一流ファッション誌の鬼編集長に振り回されつつ成長する前作は、全世界で人気を集めた

▼1作目でファッション音痴の主人公に編集長が「あなたがセールで買ったそのセーターの色は、トップデザイナーが選んだ色。巡り巡ってあなたが着ている」と諭すシーンがある。高級ブランドの流行が低価格市場に降りる「トリクルダウン」現象を説明したせりふだ。最先端の服を身に着けられるのが富裕層だけだった時代は、そう昔ではない

▼映画の舞台、米ニューヨークはグローバルファッションの中心地だが、日本のファッション界も独自の美意識が世界で評価されている。日本のガールズカルチャーは大きな影響力を持つ

▼今や「Kawaii(カワイイ)」は多くの国で通じる言葉になった。旬の「カワイイ」を発信する「東京ガールズコレクション(TGC)」は05年に始まり、最大級のファッションフェスタになった

▼地方とコラボを進め、7月には新潟市で開かれる。一般の日常着を提案するのが特徴で、ステージで見た服がすぐ買える。近年はストリートの流行がブランドに波及する「トリクルアップ」が起きている

▼映画の続編では鬼編集長の雑誌が存続の危機を迎える。業界はSNSに左右されるようになった。TGCと合わせ、ファッション業界の大きな変化を垣間見るのもいい。