在宅診療に訪れた中村伸一さん=4月、福井県小浜市
 在宅診療に訪れた中村伸一さん=4月、福井県小浜市
 名田庄診療所の所長を務める中村伸一さん
 在宅診療に訪れた中村伸一さん=4月、福井県小浜市
 往診車を運転する中村伸一さん=4月、福井県小浜市
 福井県おおい町名田庄地区

 福井県の山あいに位置するおおい町名田庄地区。人口約2千人、高齢化率40%超えの過疎地域で、30年以上住民の命に寄り添い続けている医師がいる。名田庄診療所の所長で地区唯一の常勤医中村伸一さん(63)だ。

 「あぁ良かった、心臓動いてた」「先生、当たり前や」。4月末、隣接する小浜市へ在宅診療に訪れた中村さんが認知症を患う独居男性(99)の胸に聴診器を当てると、笑いが生まれた。続いて向かったのは、足が悪く通院が困難な80代女性宅。診察を終えると、2枚の遺影の前で静かに手を合わせた。「お母さんも旦那さんもあの部屋でみとらせてもらったんや」

 中村さんが旧名田庄村に派遣されたのは1991年。自治医大を卒業して...

残り763文字(全文:1062文字)