
医療ガバナンス研究所の上昌広理事長
財務省は4月、財政制度等審議会の分科会で医学部の定員削減を提言した。人口減少が進むわが国で、2029~32年には医師需給が均衡し、その後は過剰になるとの見解を示した。政府は定員削減の方向で調整を進めている。
筆者は20年余り、医師不足問題を研究してきたが、政府の方針には賛同できない。議論が合理的でないからだ。
必要な医師数を算出するのに基準とすべきは人口ではなく、医療需要である。指標の一つが高齢化だ。わが国の75歳以上人口は30年ごろまで大幅に増加する。高齢者人口が増えればそれだけ医療需要は高まると考えられ、同時期に需給が均衡するとは考えにくい。
また、医療の高度化は医師需要を高める。小児科が典型...
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