
伝統的な蝦夷錦を説明するシン・ウォンジさん
1696年、8人の朝鮮人が北海道の北部の島に漂着。アイヌの人々に助けられながら南下し、松前藩に保護されて翌年帰国した―。江戸時代を通じて唯一確認される朝鮮人の蝦夷地への漂流事案だ。これもシン・ウォンジさんの研究テーマだ。
漂流者の一人が李志恒。李の「漂舟録」などは当時の朝鮮の知識人が見た蝦夷地に関する貴重な資料で、18世紀には朝鮮でも流通していた。
松前藩に保護された際の日本側の記録は、李が竜紋の施された高級絹織物を持っていたと記す。これはアイヌの交易を介してもたらされた中国・清朝の官服「蝦夷錦」だった可能性が高い。特に竜は朝鮮では王権の象徴で、王族でさえ気軽に着用できるものではなかった。李は漂...
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