南方系のマダニの一種「オオトゲチマダニ」(高野愛・山口大教授提供)
 南方系のマダニの一種「オオトゲチマダニ」(高野愛・山口大教授提供)
 マダニの生息適地の研究結果について説明する森林総合研究所の土井寛大主任研究員=2026年5月26日、茨城県つくば市
 北海道浜頓別町で、野鳥に付着したマダニを調べる高野愛・山口大教授(本人提供)
 神奈川県内で捕獲されたアライグマ。黒っぽい粒のように見えるマダニが口元に多数付着している(土井寛大・森林総合研究所主任研究員提供)

 マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の発生が従来の西日本から関東や北海道へと広がっている。温暖化などによりマダニが生息できる地域が北へ拡大したためとみられる。野生動物の生態も絡み、ウイルスを取り巻く環境は複雑。拡大の背景に迫り、対策を探る研究が続く。

 ▽寄与する要因

 SFTSの症状は発熱や倦怠感、下痢、意識障害などで、致死率は27%との報告もある。2013年に初めて山口県で確認されてから感染者は増加傾向で、25年は過去最多の192人となった。

 マダニは主に森林や草むらに生息し、吸血相手の野生動物に付着して移動し、分布域を広げる。

 マダニの生息に寄与する要因を研究して...

残り1253文字(全文:1552文字)