
「見えますか?あれがオニグルミの実です」
9月初旬、筆者とカメラマンは上越市牧区の山あいにいた。高さ10メートルはありそうな木を見上げると、葉っぱの隙間に青い桃のような実がたくさん付いていた。
クルミと言うと、茶色い殻や中身の粒を刻んだものしか見たことがなかった、横浜育ちの筆者には、とても新鮮に感じられた。
「クルミを漢字で書くと胡桃。桃が付きますから」と話すのは、上越市牧区で月4日だけ営業するカフェ「くるみや」の原田真理さん(47)。東京都出身で自らオニグルミを採り、手作りスイーツを出している。
オニグルミはクルミ科。野生の落葉高木で、北海道から九州まで幅広く分布している。本県をはじめ、豪...
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