地上に飛び出たへそのようにも見える「新潟県の重心点」を示す標識。×印が刻まれた金属を石で覆っている。奥には対をなす「ここは新潟県のどまんなか」と書かれたガスタンクがある=見附市葛巻2(長岡支社・富山翼撮影)

 へそラーメン、へそだんごなどのマイナーな名物、「へそ」や「中心」を意味する英単語「navel」にちなんで命名された市民交流センターの「ネーブルみつけ」…。新潟県見附市では、へそに関係のある名前を耳にする機会が多い。

 それもそのはず、見附市葛巻2の北緯37度31分19秒、東経138度54分50秒に位置する地点が新潟県の重心点、いわばへそに当たるからだ。県の地図を切り抜いて糸でつるすと、ここでバランスが釣り合う。

 市は、四半世紀前の1997年に「へそ」の標識を設けたポケットパークを建設した。前年に県測量設計業協会から打診があったのが発端だ。市建設課によると、送られてきた地図には点ではなく、重心点...

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