冬本番が始まったばかりの記録的な大雪で、県内は大きく混乱した。安全を第一に除雪とライフラインの復旧を急いでほしい。

 週末にかけて再び大雪になる可能性がある。警戒を緩めずに備えを整えたい。

 県内は19日から20日にかけて、強い冬型の気圧配置となり、中下越で大雪になった。長岡市では24時間降雪量が89センチと12月の過去最高を記録した。

 国道は長岡市や小千谷市、魚沼市で渋滞が発生した。柏崎市の国道8号では、約22キロ区間で断続的に立ち往生が発生し、最大で約800台が滞留した。

 県はこの4市に災害救助法を適用し、自衛隊の派遣を要請した。

 県内では、2016年に北陸道が30時間以上も通行止めとなり、長岡市の国道8号などで大渋滞を引き起こした「中越大渋滞」など、度々立ち往生が起きている。

 今回なぜまた同様の事態となったのか、検証が必要だ。

 長時間車中にいることで、ドライバーが体調を崩すことがある。冬季間に運転する際は、車中に食料や毛布、携帯トイレなどを常備しておくことも大切だろう。

 JRでは、県内在来線がほぼ全線で運休した。高速道は多くの区間で通行止めになった。バスの運休も相次いだ。

 停電は各地で発生した。雪の重みによる倒木で電線が破損したことなどが原因とみられる。倒木による孤立集落も確認された。

 被害のあった地域には1人暮らしの高齢者もいる。行政や関係機関はしっかりサポートしてほしい。周囲の人たちも声を掛け合うなど支え合っていきたい。

 残念なのは、除雪作業中の事故で死者やけが人が出たことだ。県は、集中的な降雪時には重大事故が増える傾向があるとして、注意を呼び掛けている。

 昨冬は死者17人のうち14人が高齢者だった。高所からの落下や側溝などへの転落が多い。

 除雪作業は1人で行わないことや無理をしない、転落に気を付けるといった安全対策を徹底して行ってもらいたい。屋根からの落雪にも注意をしてほしい。

 今回は、局所的に短時間で大量の雪が降ったことが特徴だ。

 原因について新潟地方気象台は、日本海側で寒気が合流して発生する「日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)」の影響としている。

 JPCZ発生時は風が弱まる地域があり、山間地まで雪雲が流れず、新潟市や長岡市といった平地に大雪を降らせる雲が停滞した。

 平地でも大雪への備えを怠ってはならない。

 豪雪時であっても地震など他の災害が起きることがある。その場合は複合災害となり、避難が困難になることが予想される。あらゆるケースを想定し、命を守るための対策を考えておきたい。