目は見えず、耳も聞こえず。最近は嗅覚もかなり怪しくなってきた。わが家の同居犬である。動物病院に掲示してあった人間の年齢への換算表によると、とうに100歳を超えている。単純に人間と比べられないのかもしれないが、かなりの高齢であることは間違いない

▼ペットの世界でも高齢化が進んだと言われて久しい。先日の本紙には、老犬の介助グッズについての記事があった。うまく歩けなくなった犬の散歩を助けるハーネスなどを紹介していた

▼高齢のわが相棒は食欲が旺盛で散歩にも出られるが、後ろ足が徐々に弱ってきた。視覚や嗅覚が衰えたせいもあってか、少しの段差を乗り越えるのも一苦労だ。近いうちに介助用品のお世話になるかもしれない

▼史上最高齢の犬は30歳であるという。ポルトガルで暮らす雄犬がギネス認定された。写真を見ると、大型の部類に入る犬のようだ。一般に大型犬は小型犬に比べて短命だというから、桁違いのご長寿犬といえそうだ

▼ペットも人も高齢化している昨今だが、犬や猫を飼っている高齢者は飼っていない人に比べて介護費が半額に抑えられているという研究結果が発表された。世話のために責任感を持ち、規則正しい生活になるのが活力につながるらしい

▼わが家の犬も、飼い主の健康維持に貢献してくれているのだろうか。そうだとすれば、ずいぶんと飼い主孝行をしてくれているではないか。この先、犬に介助や介護が必要になったとしても、喜んでお世話させてもらわねば。

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