子供のころから負けず嫌いだったという。日本中央競馬会(JRA)の騎手免許試験に本県出身の女性で初めて合格した小林美駒(みく)さん。じゃんけんでさえ「ルールを変えてまで勝とうとした」というから筋金入りだ。デビュー戦は3月。「同期の中で最初に勝ちたい」と意気込む

▼野球界のスーパースターも負けず嫌いで有名だ。米大リーグで活躍する大谷翔平選手はチームメートらによると、ゲームなどで負けると「もう1回!」と勝つまで勝負したがるという

▼3月開催のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けた記者会見でも「勝ちたい」を連呼した。「勝つことだけ考えたい」「野球を始めてから今日まで1位以外を目指したことはない」と闘志を燃やした

▼日本は複数の大リーガーと、史上最年少の三冠王の村上宗隆選手らを擁する「ドリームチーム」で臨むが、前回優勝の米国も大リーグのスターで固める。各国とも一級品の負けず嫌いが集まるのだろう

▼身近なところでは、ラーメンを巡る争いが話題になった。昨年、世帯支出額トップの座を新潟市に明け渡した山形市は勝ちにこだわった。店主らが協議会を設立するなど官民挙げてPRに取り組み、首位を奪還した

▼新潟市の方は周囲を見る限り、首位から陥落した悔しさは薄いようだ。食文化に勝ちも負けもない。ただ本県には豊かなラーメン文化がありながら全国的な知名度はもう一つ。負けず嫌いの精神を少しは取り入れて、発信に本腰を入れてもいい。

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