立春から約15日で雨水を迎える。二十四節気の一つで、降る雪は雨に変わり、氷は解けて水になる時季だ。今年はきょうに当たる。とはいえ、それはあくまでも暦の上の話。寒さはまだまだ続く。わが家のストーブは、朝から全力で燃焼している
▼燃料費が高騰する昨今、改めて「温活」が注目されている。万病のもと、といわれる冷えを改善し体温を高めるための活動である。暖房に使う電気やガス、灯油の節約につながる。首元を温める、しょうが湯を飲む、スクワットをする…。方法は多彩だ
▼これも温活の仲間に入れていいだろう。この冬、こたつがちょっとしたブームなのだという。エアコンや電気カーペットより電気代が安く済む。肌もあまり乾燥しない
▼ウイルス禍により自宅で仕事をする人が増えたことが、こたつ人気の背景にあるともいわれる。畳のない家も多いけれど、今は椅子で入れるこたつもある。人気に乗ってか「着るこたつ」「はくこたつ」と銘打った肌着や靴下もある
▼こたつに合うのは雪景色だと思う。雪を見ながらこたつでみかん、こたつで熱かん、こたつでうたた寝、こたつでだんらん。のんびり、ゆったり、ぬくぬくと。新潟の冬の醍醐味(だいごみ)、至福の時間だ
▼戦争、凶悪事件、物価高…。胸がふさがることが多すぎる。ウイルス禍も続いている。厳しく冷たい世間の風に立ち向かうには、休養も必要だ。だからこの休みは何も考えず、一日だらだら、「こた活」で過ごすことにする。行く冬を惜しみつつ。