生協やコンビニエンスストアを通じた冷凍たこ焼きの事業が当たり、ピーコック(新潟県長岡市)は1990年代半ばから冷凍食品事業で急成長を遂げる。家族や仲間と切り盛りする小さな店から始まり、90年代後半には売上高が70億円に達する企業になった。

 円高の当時、日本の製造業は人件費などが安い海外に生産拠点を求めた。ピーコックも拡大する国内需要に対応するため、海外での製造を模索。創業者の故・塚本勝美(かつみ)氏は人手を集められる適地を探した。

 95年ごろからタイやフィリピン、ベトナムの企業と相次いで契約を結ぶ。第一歩として、商品のたこ焼きに使うタコの切り分け作業を海外企業に委託した。

冷凍たこ焼きなどの製造を委託しているベトナム・ハイフォン工場=ハイフォン市

 そのまま販売可能な...

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