大谷翔平選手が所属する大リーグ・エンゼルスの中継で、ひときわ注目を集めているのが日本製のかぶとである。本塁打を放った打者を祝福する際にかぶせる。昨日は、豪快な一発を放った大谷選手の頭を飾った
▼ある百科事典に、武士のかぶとと西洋の騎士の防具を比較した記述があった。かぶとには革製の内張があり、打撃の緩衝材となっている点で優れていると評価していた。兵士の頭部を守る防具は古くから発達し、現代のヘルメットにつながっている
▼産業用やスポーツ用など幅広く進化を遂げ、今月からは自転車に乗る人の着用が全年齢で努力義務となった。警察庁によると昨年全国で発生した自転車に乗った人の交通事故では、死傷者の9割が着用していなかった
▼フリーアナウンサーの滝川クリステルさんは先日、子どもと自転車に乗っていて転倒し、目元を縫うけがを負ったと交流サイト(SNS)に投稿した。ヘルメットは用意していたが着用しておらず、とっさに子どもと自身の頭を守ろうと顔から落ちたという
▼SNSには、あえて痛々しい目元の写真を載せて「みなさんもご自身を守るため、是非(ぜひ)ヘルメットを」と書き込んだ。自転車事故に警鐘を鳴らすとともに、着用が努力義務になったことを伝えたかったという
▼努力義務だから罰則はない。事故の際にリスクを軽減できるかどうかは、乗る人次第だ。こんなデータは参考になるだろうか。先述した警察庁の調査では、死者の半数が頭部に致命傷を負っていた。