教員が足りず学校運営がままならなければ、しわ寄せを受けるのは子どもたちだ。文部科学省は、年間を通じた教員の適正配置に努めると同時に働き方改革を急がなければならない。

 全国の公立小中高校と特別支援学校で、昨年4月の始業日時点に2558人の教員が不足し、計画通り配置されていなかったことが分かった。

 全体の5・8%の1897校が該当し、学級担任が埋まらず校長や教頭らが教壇に立ったり理科や数学、実技教科の担当者が見つからなかったりした。

 本県では中学校2人、高校で1人を配置できなかった。

 背景には、長時間労働が慢性化した過酷な職場だという認識が社会に広まり、志望者が集まらない深刻な事情がある。

 これを裏付けるように2020年度の公立小の教員採用試験の競争倍率は全国平均で2・6倍となり、3年連続で過去最低となった。

 本県教育委員会は2・6倍、新潟市教委は2・4倍だった。

 教育現場はパソコン端末を活用した授業や小学校での英語教科化、新型コロナウイルス対策など課題が山積している。

 このまま多忙化が進み何の対策も講じられなければ、教員離れに拍車が掛かる一方だろう。

 こうした中で、人員を補うために採用される講師不足も深刻化している。

 これまで教員採用試験を目指し、学校で経験を積みたい人たちが講師の主な担い手となってきたが、ここでも志願者数の減少傾向が影響している。

 人材は民間企業に流れていると思われる。「先生は忙しすぎる」とのイメージが背景にあるのは間違いあるまい。

 講師の確保に向け、本県でも教員OBに連絡したり、講師登録を増やしたりしているものの厳しい状況という。

 現場では、団塊世代の大量退職で若返りが進む半面、若手の採用が増えて産育休取得者が増加傾向にある。一方で、精神疾患で休職する教員も年間5千人前後と高止まりする。

 経験に乏しい若手の多い職場では、互いにサポートするにも限界があり、保護者対応などに1人で悩む人もいる。こうした問題に対し現場の努力だけで持ちこたえるには無理がある。

 文科省は教員免許更新制について、今年7月に廃止する方針だ。外部人材の活用やタイムカード導入による労働時間管理など改善を模索するが、それで十分とはいえないだろう。

 国は人員不足への対応を教育委員会や学校に丸投げせず、実情を把握した上で業務量の負担減や教員増など抜本的な対策に取り組んでもらいたい。

 教育現場を魅力ある職場にし、良質な人材を集めることは、子どもたちの学びの場を充実させる上でも重要だ。

 教員が多忙化の中でがんじがらめになっているようでは、学びがやせ細るだけだろう。

 子どもたちのためにも、教員の働き方改革を着実に進めなければならない。