長崎原爆の日の8月9日、新潟市中央区の新潟市役所でも犠牲者の追悼式が行われた。参列した市民ら約100人は、原爆が投下された午前11時2分に合わせて黙とうし、核のない平和な世界の実現を願った。
式典は毎年、新潟県原爆被害者の会と新潟市、市職員労働組合が主催している。
被爆2世で被害者の会事務局長の西山謙介さん(75)=新潟県長岡市=は体調不良で欠席し、メッセージが代読された。原水爆禁止県協議会の近藤正道理事長(76)はあいさつで「核抑止ではなく、被爆の実相を広めていくことが核兵器廃絶の唯一の道だ」と述べた。参列者は白菊を献花して祭壇に手を合わせ、哀悼の意をささげた。
参列した新潟市西区の小学6年の女子児童(12)は「戦争の恐ろしさを学んで友達にも伝え、一人一人の行動で平和をつくりたい」と決意。小学校教員という母親(47)は「昔のことで終わらせず、若い世代に引き継がないといけない」と思いを新たにした。