謎だらけの宇宙を象徴しているのか。宇宙空間に浮かぶ「?」(クエスチョンマーク)を捉えた画像が話題になった。米国の宇宙望遠鏡が、地球から約1470光年離れた星の形成シーンを撮影した画像に写り込んでいた
▼どうやら銀河と銀河が合体しつつあるところらしい。銀河同士が接近すると、星々やガスの塊が相手の銀河に向かって尾のように引き出され、形が崩れることがある。その様子が「?」のような形になったとみられる
▼銀河の合体や衝突は宇宙ではよくある現象だという。「からす座」という星座には「触角銀河」とか「アンテナ銀河」と呼ばれる銀河がある。これは二つの銀河が衝突する様子が虫の触角のように見えるため、その名が付いた
▼何といっても私たちが暮らす「天の川銀河」もいずれは隣のアンドロメダ銀河と衝突する運命にあると聞く。すわ一大事、と身構えてしまうが、40億年先のことと知り、取りあえず心配するのはやめることにする
▼子どもの頃によく見たテレビアニメの影響か、合体というと複数のメカが組み合わさり、巨大なロボットを形づくる様子を連想してしまう。一方で、合体には「心を一つに合わせる」といった意味もある
▼多様性が重視される昨今だけど、こと平和を尊ぶ価値観については世界中の人と心を一つにしたい。衝突を避ける知恵を出し合いたい。平和のためと言いながら他国に戦争を仕掛ける為政者もいるが、その言動に宇宙は「?」のサインを送ったのかもしれない。