県内でも放送されたドラマ「VIVANT(ヴィヴァン)」は最終回を迎えた後も、交流サイト(SNS)でファンによるストーリーの考察などが続いている。モンゴルでの大規模ロケも話題になった。岸田文雄首相と同国のフレルスフ大統領が先日会談した際もこのドラマが話題に上ったという

▼今年生誕100年となった作家の故司馬遼太郎さんは少年時代からこの地に憧れ大学ではモンゴル語を専攻した。1970年代に初めて訪れた際の様子をつづった「街道をゆく モンゴル紀行」には、新潟空港から旅立つ緊張感も描かれている

▼冷戦時代のモンゴル人にとって、日本の「窓口」は新潟空港だったという。当時の要人らは首都ウランバートルから旧ソ連のイルクーツクやハバロフスクを経て新潟に入り、東京へ向かった

▼「日本の都市では東京、大阪、札幌に次いで新潟の知名度は高い」と駐日モンゴル大使が教えてくれた。新潟市内に名誉領事館があるのも、こんな歴史が背景にある

▼先ごろ、花角英世知事を団長とする訪問団がモンゴルを訪れた。現地の学生らを対象に、本県への留学を促す説明会を開くなどした。学問や観光といった広い分野で、関係がさらに深まればいい

▼モンゴル人の多くは本県を訪れると海に感激するという。内陸国のため海が珍しいからだ。一方で、草原や砂漠が広がる、かの地を踏んだことがない県民も多いはず。地平線や満天の星空をはじめ、日本では見たことのないような景色が待っている。

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