
国内外の教会に観光で訪れた時に、ステンドグラスを見ることが多い。日々の暮らしの中にはない色鮮やかなガラスの輝き。日の光、ライトで照らし出されるまばゆさ。見ていると心が洗われる、と言うと大げさかもしれないが、気持ちが明るく上向くから不思議だ。
教会の窓を飾る宗教芸術だが、一般建築の装飾として見掛けることがある。建物にはめ込まれた大きなものが多いが、ステンドグラスの小間物もあると知ったのは高校時代のこと。工芸の授業で、花瓶制作の課題があったからだ。
ステンドグラスは、カットしたガラス片の縁にコパ(銅)テープを巻き、ハンダごてでハンダ(鉛とスズの合金)を溶かしてガラス片を接着していく。
技量に見合...
残り2932文字(全文:3232文字)