「やっぱり」。うなずいた方も多いだろう。新潟市内の降雪が周辺に比べて少ないのは佐渡のおかげだとする「佐渡ブロック」説が、初めて学術的に解明された。筑波大の研究チームが、本県出身の学生の関心をきっかけに研究していた

▼冬に北西の季節風が吹く際、佐渡は新潟市の風上に位置する。季節風の雪雲は佐渡に先にぶつかって雪を降らせるため、新潟市周辺にかかる前に勢力がそがれ降雪が少なくなる-。こんな説がまことしやかに語られてきた

▼研究チームは過去の気象レーダーを分析したり、スーパーコンピューターを使った予測をしたりした。その結果、佐渡の影響で降雪が減る「雪陰効果」があることが分かった

▼佐渡の山並みが雪雲をブロック、あるいはガードしてくれている。降雪の多さは一概に善しあしと言えないのかもしれないが、地元に暮らす者としては佐渡に感謝をしたくなる

▼こちらのブロックは間違いなく重要だ。子どもを卑劣な犯罪から守らねば。子どもと接する仕事に就く人に性犯罪歴がないことを確認する制度「日本版DBS」の法制化に向けた検討が進む。ただ、義務化の対象職種の範囲や、犯罪歴を確認できる期間などを巡っては、政府・与党内でも議論が続いている

▼犯罪防止の観点からは、対象職種や犯罪歴の確認期間をできるだけ拡大した方がいい。一方で加害者の更生とのバランスをどう取るかという課題もある。制度のあるべき姿は。ブロックに秀でた佐渡の山並みに聞いてみたい。

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