棚の上などに置けるコンパクトな仏壇。木目を基調とし、洋風の生活空間にすっきりと溶け込むデザインだ=新潟市中央区の仏乃蔵(写真映像部・中里一也撮影)

 「秋のお彼岸」で実家の仏壇に、久しぶりに手を合わせた。忙しさを言い訳に不義理を重ねてきたことに気付く。この機会に仏壇について考えてみたい。

 新潟県は全国的にみても仏壇作りが盛んだ。「新潟・白根仏壇」「三条仏壇」「長岡仏壇」が国の指定する伝統的工芸品になっており、全国の15産地中の三つを占める。

 発祥はいずれも江戸期。水害に苦しんだ歴史、浄土真宗の開祖・親鸞と縁深い土地柄から、信仰をよりどころにする民衆が多く、製造技術が発展したとされる。

 現代は核家族化や住宅の洋風化、宗教観の変化を背景に「仏壇離れ」が加速しているという。仏壇のない家は半数以上という調査結果も複数ある。

 「仏壇は今、過渡期にあ...

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