雪椿がデザインされた村上堆朱の香皿に香立てを置き、くゆらせたお香=新潟市中央区の「香り小町」(写真映像部・金子悟撮影)

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、休日は外出せずに家で過ごす時間が増えた。感染への不安もあり、気持ちが落ち着かない日もある。

 行きたい場所に行くのを我慢したり、慣れない在宅勤務をしたりして、ストレスをためている人もいるのではないか。ウイルス禍でも自宅でうまく気分転換しながら、快適に過ごす方法を考えた。以前買って、最近はあまり使う機会がなかったお香を、部屋でたいてみることにした。

 香木の沈香(じんこう)が入った線香を香立てに置き、15分ほど香りに集中。もやもやした気持ちが、少しすっきりした。ゆらゆらと立ち上る煙を静かに眺めるのも、いっとき無心になることができ、よいと感じた。

 お香は日本人の...

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