ブナ材を自動かんな盤で削るISANAの中川雅之さん=新潟市秋葉区

 「ちょっと持ってみてください。ブナの木は重いでしょう」と手渡された板は、確かにずっしりとした重量感がある。ブナは肌目が密なのだという。

 中川雅之さん(38)は新潟市秋葉区古津で家具工房「ISANA(イサナ)」を営む。大阪府生まれで大学卒業後、職業訓練校や家具工房を経て、2011年に染織家の妻の出身地である新潟に移住した。同年、古津に工房を構えるとともに、当時はまだ店が少なかった中央区の沼垂地区にいち早く同名のカフェ兼ギャラリーを開いた。今では人気店になっている。

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 一般的に、建築にはヒノキやスギなどの針葉樹を使うが、家具にはナラやケヤキなどの広葉樹を用いる。中川さんは北海道産のナラ...

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