3月を間近に控え、県内は山沿いを中心に大雪に見舞われた。降雪期が終わりに近づく中でのまとまった雪に、地元の人は疲労をためているだろう。

 今週末には気温の上昇が予想され、雪崩の発生や屋根からの落雪も心配だ。除雪による事故や住宅の倒壊などにも引き続き注意を払いたい。

 冬型の気圧配置の影響で県内は今月、大雪が降り、各地で積雪が3メートル前後に迫った。

 津南町では24日未明に419センチの積雪を観測。「平成18(2006)年豪雪」の416センチを超え、この地点の観測史上最多を更新した。

 雪に慣れた地域の住民からも「この時期にここまで降るのは珍しい。もういい加減にしてほしい」と嘆く声が聞かれる。

 雪下ろしをするにも、一気に大雪が降ると担い手を確保しにくくなる。山間地で暮らす高齢者が気掛かりだ。

 妙高市では雪の重みで住宅の一部が倒壊する被害も起きた。各地で空き家が増える中で、雪下ろしがされないままの家も目立つようになった。

 県は23日、上越市中郷区に適用していた災害救助条例を津南町など上中越5市町に拡大した。これにより要援護世帯の除雪支援などを行う際に、費用の半分が県の負担となる。

 行政は地域と連携し、除雪に苦労している高齢者や、倒壊の恐れがある住宅などにきめ細かく目配りし、雪による被害を未然に防いでもらいたい。

 これからの季節は特に、雪崩への警戒が欠かせない。

 糸魚川市では23日に山中の道路付近で雪崩が発生し、付近に住む男性1人と連絡が付かなくなった。雪崩に巻き込まれた可能性がある。

 現地は2・5メートルほどの積雪があるという。警察や消防は新たな雪崩の発生に十分注意し、捜索に当たってほしい。

 急な積雪時は、降り積もった雪が下の層の雪を残して滑り落ちる「表層雪崩」が起きやすい。一方で気温が上がる季節になると、地面に積もった雪が全て滑り落ちる「全層雪崩」が発生しやすくなる。

 県内は最低気温が氷点下となるなど気温が低い状態が続いていたが、週末には晴れ間が広がり、最高気温が10度を超える日もある見込みだという。

 積雪がある所では急な斜面に近づかないようにするとともに、斜面の雪に亀裂が入るといった雪崩の前兆を見逃さないようにすることが大事だろう。

 屋根からの落雪も、子どもや高齢者が巻き込まれることがないように気を配りたい。

 降雪が落ち着いても除雪は続く。疲れた中での作業は事故につながりかねず心配だ。

 県内では18日までに雪により16人が死亡、149人がけがをした。雪下ろしや除雪による事故が多く、死傷者の約6割を65歳以上の高齢者が占めている。

 除雪をするときは近所と声を掛け合うなど、異変に気付きやすい態勢を整え、事故を減らせるよう心掛けたい。