閉店した元助から運び出される冷蔵庫を見送る小竹正さん(左から2人目)と妻寿子さん(同1人目)=1月17日、新潟市西区内野町
閉店した元助から運び出される冷蔵庫を見送る小竹正さん(左から2人目)と妻寿子さん(同1人目)=1月17日、新潟市西区内野町

 新潟市西区のJR内野駅近くで創業100年を超える老舗の鮮魚店が能登半島地震で被災し、店を畳むことになった。新鮮な魚介と豊富な品ぞろえで、地元で長年親しまれてきたが、建物の被害が大きく営業を断念した。「本当にやめるんだな」。店を長く支えた冷蔵庫が運び出され、店主は客への感謝とともに寂しさを募らせた。

 地震から2週間余りがたった1月17日、「鮮魚仕出し元助(もとすけ)」では備品の搬出が行われた。魚屋の「命」とも言える冷蔵庫やショーケースがトラックに積み込まれた。「さっぱりしたね」。4代目の小竹正さん(64)はがらんとした店内を見渡し、ぽつりと言った。妻の寿子さん(55)は、魚の並ぶショーケース越...

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