
液状化により10センチほどの溝が生じた勝手口を確認する阿部利男さん=1月23日、新潟市西区善久
能登半島地震の発生から2月1日で1カ月。液状化で深刻な被害を受けた新潟市西区の善久地区では、いまだ傾いたままの家で暮らす住民もいる。その一人、無職阿部利男さん(84)は60年前、新潟地震でも液状化の被害を経験した。「まさか2度も被災するなんて」。自然の脅威のすさまじさをかみしめ、どんな備えができるのかを改めて考えている。
阿部さんは善久地区にある築35年の自宅で、81歳の妻や長男夫妻と孫の5人で暮らす。元日は十日町市や東京から帰省した孫たちと一緒に居間でくつろいでいた。
午後4時過ぎ、強い揺れに見舞われた。慌てて外に出ると、家の前の道路は液状化で大量の土砂が噴出し、作業小屋は大きく傾いていた...
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