現代は疲労の時代と言えるのかもしれない。漢方薬メーカーのツムラの調査では、20~60代の男女の8割が「なんとなく不調」と感じたことがあった。症状としては「疲れ・だるさ」「目の疲れ」が目立った
▼先日、こんな記事があった。思い当たるという方も多いだろう。現代の「疲れ」は肉体的な消耗にとどまらない。ストレスに押しつぶされそうになる「心の疲れ」も深刻だ
▼新型ウイルス禍で、長期間にわたり行動制限を求められた際は「自粛疲れ」や「コロナ疲れ」といった言葉をよく耳にした。行きたい場所に行けず、会いたい人とも会えず「こんな生活はもうたくさんだ!」と叫びたいのを、ぐっとこらえたのを思い出す
▼交流サイト(SNS)に没頭するうち、他者とのコミュニケーションに負担を感じるようになる「SNS疲れ」も話題になった。気軽に交流していたはずがトラブルになったり、周囲と自分を比べてしまって落ち込んだりする。そんな人が増えたという
▼このところ懸念されるのが「支援疲れ」だ。ロシアに侵攻されたウクライナを支えてきた欧米各国で、支援よりも自国経済の立て直しなどを優先しようという声が上がる。最大の後ろ盾だった米国も大統領選を控え、今後の姿勢は不透明だ
▼あすで侵攻から2年。先の見えない戦闘は3年目に入る。ロシアは経済制裁を巧みにかわし、北朝鮮から兵器を調達して攻勢に転じた感がある。侵略と戦う側が支援疲れで窮地に陥るのは、どうにもやりきれない。