男性の家を工事する作業員=新潟市西区

 能登半島地震による液状化現象で傾いた家を水平に直す工事が新潟県内でも始まっている。幾つかの工法があるが、費用が数百万円に上ったり、一時転居を余儀なくされたりするケースもあり、居住者の負担は重い。業界団体は「いずれの工法も液状化の抜本的な対策にはならない」と指摘するが、「少しでも元の生活に戻したい」と被災者からの依頼は急増している。(報道部・五十嵐南美)

 「引き戸が閉まらず隙間風が入る。廊下も傾き、靴下だと滑って危ない」。新潟市西区善久にある80代男性の自宅は、地震で1度弱傾き、同市の現地調査では「準半壊」と判定された。地盤調査や改良などを手がける同市江南区の丸高重量が、2月上旬から沈下修正工...

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