能登半島地震で擁壁に被害を受けた会社員男性。修復したものの地区を離れることを決めた=糸魚川市京ケ峰1
能登半島地震で擁壁に被害を受けた会社員男性。修復したものの地区を離れることを決めた=糸魚川市京ケ峰1

 能登半島地震でコンクリートブロックの擁壁が崩れるなどし、家屋が傾くなどの被害が出た新潟県糸魚川市京ケ峰1の住宅地で、住み慣れた地区を離れる決断をした人も出始めた。この地区はかつて山を切り開き盛り土をして造成された住宅地。自宅を修復したとしても「地区全体の安全が見通せない」ためだ。働き盛りの夫婦は「これから数十年の生活を考えると、とどまることはできない」と思いを吐露した。

 糸魚川駅南口から約2キロの京ケ峰1の住宅地。坂道を上っていくと、高低差のある斜面に盛り土をしてコンクリートブロックで覆った擁壁のある家が目立つ。能登半島地震は擁壁で固められた地盤を揺さぶり、ダメージを与えた。

 「ここを出ると...

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